心の支えの桜 枯死の危機
・産経新聞 2005/12/17
阪神大震災まもないころに、全壊した神戸桜口郵便局の跡地に仮設の郵便局が建てられた。その基礎のブロックのわずかなすきまから、サクラが誕生した。隙間からでもたくましく枝を伸ばそうとする姿に震災で傷ついた人々は心打たれた。その後、サクラは再開発計画などの影響もあり、現在は神戸市灘区桜口町のJR六甲道駅近くに移っている。しかし、今このサクラが植物のがん「根頭がん腫」に侵されつつある。樹木医の診断では生存率1%という。震災からまもなく11年。復興を見守り続けてきたサクラの周りには多くの市民が集まり「犠牲者を犠牲者を忘れないためにも震災記念樹として生き続けてほしい」と願っている。