暖冬で異変の都市の植物
・日本経済新聞 2005/12/4
東京都港区にある国立科学博物館附属自然教育園では、亜熱帯性植物のシュロ(ヤシ科)が生い茂っている。開園当時は、1本もなかったが、今では約1600本に増えている。これは冬の最低気温の上昇によるものである。種子から発芽した苗は土壌が凍ると茎が枯れていた。しかしここ10年ほど凍ることなく、苗が生き残ることになったということである。シュロ以外にもセンリキョウ、キウイといった南方系植物が増えているという。過去100年で東京の平均気温は3.8度上昇している。また最低気温の上昇は紅葉の遅れ、色づきの悪さの原因になっている。過去50年間のカエデの紅葉は全国平均で15、16日遅れている。