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新聞からの木の豆情報

「北前船」の復元

・読売新聞  2005/12/6
帆に風をはらみ、荒波を進む木造帆船「北前船」。北前船は江戸時代、日本海海運の主役であった。この北前船をみちのく北方漁船博物館(青森市)からの依頼で、船大工の新沼留之進さんが現代によみがえらせたのである。これで手がけた和船は4隻目。気仙地方の船大工仲間など腕を見込んだ13人が携わり、1年4ヶ月をかけて完成!この間、新沼さんは岩手県の自宅を離れ、材料選びから設計、建造まで「棟梁」として取り仕切った。設計図は奉納された絵馬などを参考にして作成、帆柱には樹齢200年の大杉を調達した。完成した船は全長32m、幅8.5mで、船内には150トンの荷を積むことができる。新沼さんが船大工になったのは戦時中の勤労動員がきっかけだが、造船技術の移り変わりより、技術が次世代に継承されず、すたれていくことにさみしさも感じていた。記が訪れたのは1990年に大船渡商工会議所から展示用和船の注文を受けたこと。「おれたちの技術を残そう」と船大工のプライドがよみがえった。新沼さんは「自然とともに生きた先人の知恵を後世に伝えたい」と和船復元に思いを込め、「スポンサーが見つかったら、もう1隻造りたい。もっともっと雄大な船をね」と話す。

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