古代の湖上交通 丸木舟
・産経新聞 2005/11/11
琵琶湖では入江内湖遺跡から縄文時代前期の舟が出土するなど、古代から針葉樹などを使ったシンプルな丸木舟が運輸は交通に利用されていることがわかっている。この古代の丸木舟に、滋賀県の聖泉大の教授や学生約10人でつくる「地域研究会」が興味を持ち、製作に乗り出したが、専門家がいないため、学生らは同遺跡の資料などを見て独学で設計した。材料はカナダ産の松を購入し、8月から約3ヶ月かけてテェーンソーやノミで木をくりぬいた。舟は長さ約5メートル、幅約80センチ、高さ約40センチの4人乗りで、12日の進水式では彦根市の宇曽川に舟を浮かべ、琵琶湖までの約1.5キロを航海した。高谷好一教授も「ヒトやモノを運んできた丸木舟での航海は、琵琶湖の歴史と地域を実践で学ぶフィールドワークとして最適」と期待している。