残る木片が宝の山
・朝日新聞 2005/10/21
オーストラリアで木質バイオマスによる山間地の活性化が盛んとなっている。森林資源の有効活用と林業衰退の歯止めになるため、製材の後に残る木片はまさしく宝の山である。木質バイオマスとは、製材過程で残る枝や樹皮などを5-10数センチ程度に細かく切断したチップや、おがくず状にして固めたペレットの総称である。ストーブやボイラーの燃料として使用する。細かく切断した木片は薪よりも燃焼効率が3割以上高く、ボイラーで大規模な熱を起こすのに向いている。オーストリアのアイゼンカッペルの村人は、熱湯による暖房施設の初期費が日本円で約55-80万程度かかるが、暖房費が灯油、ガスに比べ、2割程度安く、また家事の心配もないと喜んでいる。しかし一方で、枝、樹皮の安定確保ができない、供給個数の不足で採算があわないなどの地域もある。今後は電気供給と用途が広がる可能性がある。木質バイオマスには林業衰退に悩む日本の自治体の注目も集まっている。