新しい芽を吹いたポプラ
・日本経済新聞 2005/10/19
昨年秋の台風で倒れた兵庫県豊岡市新田小学校のポプラの切り株から新しい芽が吹いた。台風23号から1年となる20日「防災授業」の一環として、児童が小枝に育った芽を刺し木にして植樹する。このポプラは樹齢約50年。高さ約20m幹周り3.5mの大木で同校のシンボルとして親しまれてきた。しかし昨年9月の台風21号で根元から倒れ造園業、村尾壮一さんが切り株にして保管していた。ところが10月20日台風23号が豊岡市を襲い、市内を流れる円山川の堤防が決壊、市内のほぼ全域が水につかった。切り株も約2㌔北の水田まで流されたが、今年3月に引き取られるまで「直立不動」を保ち続けた。村尾さんが切り株の周りに土をかぶせておいたところ今年4月に芽を吹き始めた。住民や卒業生から「町の復興のシンボルにして」と声が上がり元の小学校で植樹が決まった。芽は校舎内のプランターで冬をしのぎ、来春校庭に移植される。