建造いつ?年輪年代法
・朝日新聞 2004/11/12
古い木造建築や美術品の「年齢」を測る年輪年代法は、約100年前にアメリカで開発された。木の年輪幅を計り、暦年標準年輪パターンと照合することで伐採された年代を1年単位で特定する。 有効画素数1110万画素の高性能デジタルカメラを使い、画像を機械で解析することで誤差の極めて少ない数値を出す。またX線CT(コンピューター断層撮影装置)を使うと、彩色が施されていたり表面の凹凸が激しかったりして、肉眼やカメラでは年輪幅が読み取れない美術品も測定できる。奈文研の島津製作所の協力で開発したX線装置は医療用の50~100倍の解像度があり、直径50cm、高さ1M位までの物を測定できる。 従来の方法では顕微鏡付きの読み取り機に置いて、人間の目で0.01mm単位で年輪幅を測っていたため、作業者の負担が多い上、大型の対象物は測定できなかった。 他の測定法として、生物が大気から取り込んだ放射性炭素(C14)が死後5730年で半減する性質を使用した方法もあるが、数十年の誤差が出てしまう。 木彫像や木工芸品の年代は様式で判断されることが多いだけに、この手法は美術史
学界や古美術業界への影響は大きい。