奈良県の壺阪寺で、古いお堂(因幡堂)を取り壊し、そこに使われていた室町時代のヒノキなどの木材を再利用し、別に新しいお堂(潅頂堂)を新築した。総工費の3割近く(金額で数千万円)を削減され、また古い質感も出されている。全国でも数百年前の木材を用いての新築工事は珍しいことである。新しいお堂に使われている木材の約45%が旧のお堂の木材である。このお堂を建築した竹中工務店設計本部の平沢副部長は、「古い木材と新しいものとの色を調和させるのには苦労した。以前あったものより格下の建物に木材を再利用するケースはあるが、今回のようにさらに重要な建物に使うのは珍しい」とコメントしている。 |