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新聞からの木の豆情報

タイノケシ畑 梅の木を植樹

・読売新聞  2005/7/6
梅林正直さん(71)はアヘンの生産地として知られた「黄金の三角地帯」で資材を投じ、梅の植樹に取り組んでいる。梅林さんには、タイ人の研究者の友人がいたが、20年ほど前に友人が亡くなり、タイへの思いを強くさせていた。95年に「ケシに代わる作物が栽培できないか」と標高1500メートルの山岳地帯の村から相談を受けたことがあった。梅林さんが思いついたのは梅であった。梅は高地に適し、塩漬けなどで保存が効く。加工しやすい利点もあるからだ。村ではケシ栽培禁止後、桃やコーヒーなどを施策したが病害虫に見舞われる結果となり、村人は見知らぬ日本人の提案に半信半疑だったが、「定着すれば村の収入源になる」と説く、梅林さんの熱意が伝わり、地元の村長が動いた。村は畑のケシを取り払い、梅の苗300本を植えた。梅林さんは97年に再び村を訪れた。50センチほどだった梅の苗が4、5メートルに育っていた。だれも手がけたことのない取り組みだったが「やってみる価値はある。亡き友人のために、こらからの人生をかけてみよう」とタイに家を借り、ボランティア活動を行なっている。活動費は日本での講演料などで賄うという梅林さんは「自分の頭と体とお金を使って汗を流すのがボランティアの原点」と話す。 4年目で初めてつけた実は桃の5倍の値で売れ、「うちの村にも」との声に、梅林さんは四輪駆動車で村々をめぐり、約10か村で計2万本を植えた。2000年、タイ政府から「タイ国友好賞」が贈られた。危険との隣り合わせの活動だからと一人で続けてきた活動だが、今月12日には日本人約20人も加わり現地での梅の植樹会を開く。「大切なのは『志』を伝え遺すこと。活動をやりたいという若者にバトンタッチをする日まで、体の続く限り頑張りたい」と梅林さんは語る。

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