荒れる日本の森林
・毎日新聞 2005/6/29
昨年の台風、地震、集中豪雨などの自然災害で、山崩れ、樹木の倒伏など各地で森林に多くの被害が出た。林野庁のまとめでは、被害面積48000ヘクタール、被害額約3400億円である。こうした被害の一因として、間伐などの森林の手入れが行き届いていないことがあげられる。日本の森林面積は2512万ヘクタールで、1966年以降ほぼ横ばいである。このうち人工林の8割が今間伐の時期を迎えている。間伐をしなければ、樹木は日があたらず、下枝がかれ、モヤシのように細く、雨や風雪害を受ける。また、光が灰になければ、下草がはえず、地表がむき出しとなり、豪雨の際には、土壌が流れ出し大きな災害を招きやすくなる。森林のはたらきには、国土の保全、水源かん養など多面的な機能がある。これらを維持するのに欠かせないのが間伐であるのだが、なかなか進んでいないのが実態である。そこで林野庁では、2000年から「緊急間伐5ヵ年対策」として、150万ヘクタールの間伐を実施達成した。今年からは間伐推進3ヵ年対策を挙げている。