防災マングローブ植林
・読売新聞 2005/6/26
大阪市北区のNPO「アジアボランティアセンター(AVC)」がインド洋津波で大きな被害が出たインド洋東海岸で現地のNGOと協力し、マングローブを植える取り組みを始めた。マングローブは熱帯の海水と淡水が混ざる場所に育ち、水質城下などに重要な役割を果たすが、パルプの原材料になることから乱伐が進行し、現存するマングローブの4倍以上(160万ヘクタール)が20世紀中に消滅したとされる。AVCスタッフの荒川さんはこの現状を知り、一昨年4月にマングローブが激減したマレーシア・サラワク州住民に植林実績のあるインドなどで研修を受けさせ、再生を図るプロジェクトを開始した。これまで計4回研修を実施し、今年も1月に行なう予定であったが津波で中止となった。被災各国でマングローブは津波の力を弱める「天然の防波堤」として見直され、マングローブの消失が津波被害拡大の一因とも分かった。荒川さんは3月にサラワク州住民8人とインドへ向かい、東海岸の4箇所に現地NGOとともにマングローブの苗木4600本を植えた。苗木は約2年で2メートルほどに成長するという。荒川さんは「小さな復興作業だが、地道に続け、防災に役立つ自然環境を取り戻したい」と息長く支援していく必要性を訴える