溶岩台地 樹根うねる
・読売新聞 2004/10/2
「青木ケ原樹海の歴史」
人の手が入っていない鬱蒼とした原生林で有名な青木ケ原樹海は、歴史的にその生成過程が明確な森林でもあります。富士山は西暦800年と864年に噴火し、その溶岩流で今の青木ケ原一帯は溶岩に覆われました。その後800年の間、つまり徳川幕府ができるぐらいまでの年代は、全くの不毛地帯でしたが、このころから木が生え始め、現在の樹木は松、栂、桧等の針葉樹を中心とした樹齢300年ほどの木が主流です。しかしながら現在でもこの樹海の下の地面の土はわずか20cmほどしかありません。木々は土の中に根を張ることができず、岩の上にしがみつき、地表を這うことによりその体を支えています。これらの針葉樹の森に広葉樹が押し寄せるのはまだまだ長い年月が必要です。
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