林業の盛衰 見守った車庫
・読売新聞 2005/4/24
全国から鉄道ファンが集まる「天竜浜名湖鉄道・天竜二俣駅」にある扇形車庫。すすと油まみれの真っ黒な何本もの柱が斜めに交差しながら天井を支えており、かすかな木の香りがただよっている。かつてはSLがあった。1940年の国鉄時代地元の木を使って建てられ、木造車庫としては、国内唯一の現役である。国の登録有形文化財でもある。昭和40年頃までは切り出された材木が線路沿いに山積にされ、頻繁に列車で運ばれていたが、現在、天竜の木材生産量はピーク時の1/20である。たまたま残された車庫であるが、天竜の木を使った車庫が未だ現役であるとは立派である。