見直し進む都会の里山
・読売新聞 2005/4/20
4月上旬、ポカポカ陽気の中、愛知万博・瀬戸会場(愛知県瀬戸市)に設けられた「里山遊歩ゾーン」に多くの中高年の男女が参加した。名古屋市街地から20数㌔離れたこの遊歩ゾーンは瀬戸市南東部の里山「海上の森」(かいしょのもり)の一部であり、約15ヘクタールある。 整備された万博の遊歩ゾーンとは違って、こちらはうっそうと茂る雑木林。この雑木林には高木のマツやコナラが茂っている。長い間手入れしていないため、荒れ果て、山肌が見えたり、棚田の跡などが目立つようになった。そして荒れた山々は地域でも見放され今日に至った。しかし、貴重な動植物が残っていることが確認されるなどし、近年都市近郊の自然として再び脚光を浴びはじめた。 昨年、地域の市民などが集まり「海上の森の会」ができた。この会は森の斜面崩落を防止するため、間伐材を使った柵作りにとりかかったりしている。里山を守るための活動はまだまだ始まったばかりで、今後どう守っていくかが課題である。