道成寺、和歌山県日高川町にあり、ここには南北朝時代の作とされていた釈迦如来坐像が、奈良時代後半の8世紀後半のものであると年輪年代測定の結果判明した。科学によって、約600年もさかのぼったことになり、異例な調査成果となった。右手首は722年以降、左手首は721年以降に伐採された同じヒノキで作られていたこと、また胴体については鎌倉時代と判明した。これについて、大阪経済大学の長田教授は、「手は外しやすく、頭部や胴体は修理できないほど傷んでいた可能性がある」と指摘。鎌倉時代に作り直しされた後奈良時代の手が見つかり、はめ込まれたと推測されるという。