津波に耐えた「奇跡の一本松」の伐採が平成24年9月12日に行われた。岩手県陸前高田市の沿岸部には7万本の松原が広がっていたが、13メートルを越す津波になぎ倒され、唯一残ったのは、樹齢270年、高さ27mの一本のみ。その松も海水で枯死しており、倒れる危険性があるため、市が今年7月にモニュメントとして残すことを決めた。モニュメント化するための作業内容は、高所作業者で高さ19メートルより上にある8 本の枝を落とし、根元にチェーンソーをいれて倒す。幹を長さ方向に3分割し、トラックで製材工場まで運び、9分割に割り返し、中心をくりぬき炭素繊維強化樹脂(カーボン)の心棒を入れる。その後、文化財保存のときに施す樹皮の生体保存や防腐の処理をする。枝のレプリカをつけてモニュメント化する。その一連の作業は、東京の業者が1億5千万で請け負う。市は7月から寄付を募ったが、募金金額は約2688万で大きく不足している。震災後、復興が進まない中、松の保存に多額の税金使うことに対して反対意見もあり、市民も複雑な思いがある。