百年の森林構想で、山村が悩む森の荒廃に歯止めをかけ村の自立を目指す。岡山県の北東端の西粟倉村は95%を山林が占める。村の森の85%は植林によるものだが、所有者はほとんど手入れをしないため森は荒れ放題になっている。木材の輸入が自由化され、木材価格が落ち込み、手間をかけても赤字になるだけだからだ。百年の森林構想は、森の所有者に代わり、村が森を10年間管理し、村から委託を受けた森林組合が間伐を進め、村が民間企業と設立した「西粟倉・森の学校」が間伐した木材を家具等の木工品に加工して都市部に販売する。所有者には、収益の一部が還元されるという全国でも先進的な放置林対策。「百年」の意図は、人工林が育った50年に今後の50年をあわせて「百年の森林」。現在村と契約を結んだ所有者は、3割程度で管理する森林も3割の824ヘクタールだけだ。これといった産業がないため、村としての生き残りをかけ森林活用に目を向けた。