ひとつの花に百枚以上の花弁を付ける「菊咲き性」の新品種のサクラが、富山県入善町の国指定天然記念物の「杉沢の沢スギ」に自生していることが4日にわかった。静岡県富士宮市の富士菊桜に次いで2例目の自生の菊咲き性のサクラである。サクラは、樹高約11メートル、幹回り46センチ、4月中下旬に開花し、5月中旬まで楽しめる。入善町教育委員会が2004年に確認し、10年に県中央植物園に調査を依頼し、突然変異による新品種であることが判明した。「入善乙女キクザクラ」と命名し、同植物園の担当者は「沢スギに豊かな植生が残っている証拠。花の色や形も独特で、美しく価値がある。園芸にも適している。」と語る。