岩手県陸前高田市の東日本大震災の津波に耐えたが、根腐りのため生存が絶望的になっている「奇跡の一本松」について、23日、財団法人「日本緑化センター」が防腐加工し現地保存する技術を提案していることが分かった。震災を語り継ぐモニュメントとなる可能性があり、所有者である日本ユースホステル協会も保存に前向きである。一本松に防腐剤を注入したり表面に塗ったりして立てたまま保存する案や、添え木なので補強する案が出ているという。今後、市は県と市が計画する「高田松原地区・防災メモリアル公園」構想に一本松の保存を含めることを検討している。昨年10月末に根腐れが判明した一本松を、センターは枯死したとみているが、市は蘇生に期待を寄せる市民感情にも配慮し、芽吹きの時期である5月上旬に芽吹きがないことを確認してから保存作業に着手する方針である。