世界遺産に吉野山を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が2004年に登録され、2008年には中世の要塞や教会が有名なサンマリノ市の旧市街地を含む「サンマリノ歴史地区とティターノ山」が登録された。サンマリノ市は吉野町の半分ほどの人口約4000人である。昨年4月に桜の植樹を続けている日本の市民団体から桜の苗木100本を送られたの を機に、公園整備を進めている。これらを知った吉野町が、桜を介した交流が期待でき、互いに世界遺産があることから協定締結に乗り出したのである。観光大使として昨年11月に行われた文化交流レセプションに吉野桜保護のためにCDの売り上げの一部を町に寄付している和楽器演奏グループを派遣し、今春、吉野桜の花見に駐日大使を招待することを計画している。「桜を通じて日本の文化を伝え、子どもたちも交流させたい」と北岡篤町長は語り、「文化と観光で協力関係を築き、多くの人が、ともに世界遺産のある吉野町とサンマリノを行き来できるようにしたい」とサンマリノ共和国側も話している。