岩手県陸前高田市の被災松を使用した薪の表皮から放射線セシウムが検出されたため、「京都五山送り火」で燃やす計画を中止すると、12日に京都市は発表した。「薪から放射性物質が検出されないことが前提だった。出た以上、使用を断念せざるを得ない。おわびする」と記者会見で門川大作市長は謝罪した。用意していた500本の薪は福井県坂井市のNPO法人を通じて現地から調達したものである。民間機関で11日に、届いた薪すべての表皮と内部サンプルを採り、それぞれまとめて検査した。その結果、内部からは検出されなかったが、表皮からセシウム134、同137を合わせ、1キログラムあたり1130ベクレル検出されたのである。大川市長は、この日の会見で計画の見通しの甘さを認めた一方、「安全性については国の基準がなく、市独自の判断はできない」と説明した。また、「陸前高田市をはじめ、被災地の皆様に悲しい思いをさせてしまった。すぐにでもお詫びに行きたい」と話した。専門家によると、今回検出された値では薪を燃やして肺に吸い込んでも影響はないとしている。