広葉樹であるナラやシイ、カシなどが病原菌で枯死する「ナラ枯れ」の被害が、2010年度は全国で32万5千立法メートルもあり、過去最悪であった前年度の1.4倍になったと、林野庁は発表した。今まで被害のなかった青森や岩手などでも初めて確認され、 原因は夏の猛暑などとされている。01~06年度ではナラ枯れ被害は10万立法メートル以下で推移してきたが、近年、薪や炭への利用が減り、ナラ枯れの発生しやすい樹齢の木が増えて被害量も増加したのである。昨年は夏の暑さで木が弱り、被害がさらに広がったそうである。都道府県別では山形県が一番被害が多く、民有林では30万1千立方メートルのうち5万5千立方メートルが、国有林では2万4千立方メートルのうち1万2千立方メートルが被害にあったのである。「ナラ枯れを媒介する虫の駆除や、森林の若返りを図るなどし、発生を抑制したい」と林野庁は話す。