ブラジル・アマゾナス州で1年間に失われた森林面積は1558平方キロから604平方キロに減った。ジェトロ(日本貿易振興機構)によると、大量の雇用が生まれた事で、周辺地域で木を切って生計を立てる住民が減った事が要因である。アマゾナス州の州都、マナウスの経済特区監督庁によると、特区内の製造業で働く人は2003年から2008年の5年間で1.6倍に増えた。『工場が建設されて森林が守られる』。こうした、一見逆説的な状況が生まれている。貧困をなくせば森林破壊は減る。特区を発展させ生活を豊かにする事が、環境保護に繋がるのである。また、アマゾンの森林をめぐっては森林法の改正案によって急展開を見せている。これまで耕作が認められてなかった山の尾根や斜面の開発を認めたのである。環境保護より開発が議員の票になる現実がある。今年3、4月の2カ月間で前年の6倍近い593平方キロの森林が失われた。東京23区に匹敵する規模だが、これは農業従事者が森林法の改正の影響で伐採を進めているのが要因であると考えられている。