伝統行事である京都市の「五山送り火」の一つ「大文字」で、岩手県陸前高田市の景勝地である「高田松原」の東日本大震災の津波で流された松を護摩木として使うことを大文字保存委員会は計画していた。しかし、京都市などに放射能汚染を不安視する声が寄せられ、急遽中止となった。保存会は約400本もある用意していた護摩木を京都に運ばず、8日夜に陸前高田市で迎え火としてとして使用するようである。遺族の名前や祈りが書きこまれた護摩木すべてを写真撮影し別の木に書き写し、京都の大文字で燃やす予定である。7月下旬、陸前高田市の鈴木繁治さんが中心になって集めた護摩木約300本すべてを、京都市と保存会が検査し、放射性物質は検出されなかった。にもかかわらず、京都市に「子供に後遺症が出たらどうなるのか」「琵琶湖の水が飲めなくなる」といった声が寄せられ、8月に入り、保存会は中止を決めたのである。「少しでも被災者の方の思いをくみ、心を込めて送りたい」と保存会の松原公太郎理事長は話している。