現在、世界の森林事情は面積が減少傾向にある。焼畑の拡大や過剰伐採などによって、熱帯雨林が急減したが主な原因だ。1990年から20年間で日本の国土の約4倍にあたる面積の森林が世界から失われた。しかし、日本国内のみで見てみると、林野庁によれば、2009年の森林面積は2510万ヘクタールで、約40年前からほぼ横ばいの状態が続いている。ただ、1960年代を中心に行われた植林の影響により、木々のボリューム(蓄積量)は約2.5倍に膨れ上がった。しかし、林業業界が抱える問題は大きい。林業従事者の高齢化、後継者不足などによって森林の手入れが十分行われなくなったため、木材の「質」が問題になっている。蓄積量が増えても、木材として使えない木々が多くなっているのが現状だ。その一方で、森林ボランティアにかかわるボランティア団体数は、同庁が調査を開始した97年度の277団体から、2009年度までには2677団体に増加した。「会員は60歳以上」が29%と最も多いが、「19歳以上60歳未満」も全体の21%を占めており、女性会員も25%ある。活動内容は、森林整備に限らず環境教育など多岐にわたっている。NPO法人「森づくりフォーラム」(東京)の松井一郎理事は「子どもからお年寄りまで、都市部に住む人も自分に合った関わり方で森林ボランティアに参加してほしい」と呼びかけている。