節電にも被災地復興にも役立つエコ商品として「木のうちわ」が話題になっている。うちわには東日本大震災の被災地の間伐材が使われている。奈良・吉野杉のブランド復興や森林保全などに取り組んでいる企画運営会社「ハートツリー」(東京)が立案し、5月から、スギ間伐材を有効活用してきた宮城県登米市の登米市町森林組合と合同で、生産を始めた。うちわは、厚紙を片面に貼り、親指を入れる穴を開けたもの(縦18cm、横19cm)が1枚180円からで、柄付き(縦33cm、横21cm)は1枚698円からの2種類ある。受注は100枚単位で、企業ロゴなどの印刷も別料金でできる。ホテルの宿泊グッズに取り入れたり、近畿や九州のメーカーなどから製品PRなどで配ったりと活用され、予定では5万枚の販売だったが、増産を検討している。林野庁も「木づかい(気遣い)で応援しよう!」を合言葉に、6月中旬から、「木のうちわ大作戦」で木製うちわの購入を呼びかけている。すでに約2000人の本省職員が使用しているという。木のうちわの売上の一部は日本財団の被災地支援基金に寄付するという。「うちわ以外の商品開発も行い、末永く取り組みたい」とハートツリー担当責任者の興津世禄さんは話す。