東には吾妻山、南には渡良瀬川が流れる緑豊な街、群馬県桐生市。ここに住む関口章さんが建てたのは、地元桐生産の木材にこだわった家である。住み始めたのは昨年6月。外壁から床板まで、使った木材は全て桐生産。居間の真ん中には枝付きヒノキの大黒柱がある。居間から吹き抜けの2階まで、よじ登ったりぶらさがったり、大人でも大丈夫なくらい立派な大黒柱である。「よく触る部分が磨かれて、味が出てきました」と関口さんは話してくれた。 桐生産の木材にこだわった理由は、地元の山が荒れるのを防ぐために、少しでも貢献したいと思ったからだそうだ。風がよく通るので夏は涼しく、冬は薪ストーブが暖かくて、みんなが居間に集まるそうです。 ここは元々住宅に囲まれた梅林でした。11本あった梅の木は5本を残しました。今年は梅がどっさり取れて、ジャムや梅酒を作っている。「自然の恵みをいただいて暮らしていく喜びを、子どもたちに感じ取ってほしい」。庭の草刈りは大変なようだが、心地よい風が暑さを忘れさせてくれるそうである。