光合成を学ぶ6年の理科で佐久間先生は「生きていくために校庭の木はどのように葉をつけているでしょう」と1組28人に問いかけた。校庭で樹木を観察する前に、葉の生え方を絵や文に書いて予想した。初めに予想。男の子が「難しいな。気によって形が違う」とつぶやくと、先生は「1本の枝を見ると、葉はどのへんについてるの」と聞いた。女の子は「枝の方」と答え、先生は「なぜ」とたたみかける。「日光が当たりやすい」「光合成しやすい」校庭の木を理科室から眺めると、キノコのような形もあれば、扇のように枝葉が逆三角形になっているものもある。「木の形が違うのに気付いたね。樹形といいます」と 先生は説明し、扇形のケヤキに目を向けさせた。女の子は「上からみると葉っぱのふたがあるみたい」と、先生は「ふたはすっかりふさがっているわけではないね」と導くと「すき間がある。光合成できるね」と話す。先生は次に、クスノキやドングリが実るマテバシイなどのキノコ形の樹木を指し、「外側にたくさん葉が生えている木は内側にもたくさん生えていると思うか」と尋ねた。みんなは絵や考えをノートにまとめた。「光合成しにくいから、内側には葉があっても少ない」「内側では下から入ってくる光で光合成をしていると思う。内側にも葉はある」など様々な予想が出た。実際に校庭へ出、木の下にもぐったり木登りをして観察した。枝がすくっと伸びたクスノキはスポッと内側が空いており、シラカシやマテバシイも内側の枝に少しだけ葉がある。子どもたちは「中はスカスカだ」「肋骨みたい」と先生は「傘みたいだね」と話す。観察結果を最後にまとめた。「葉は枝の先になるにつれ多くなり、内側はあまり生えていなかった。木も草のように光合成しやすく葉が生えていることが分かった。」「木の内側には人が入れるほどすき間があった」「外から見たらギュウギュウ詰めだったけど、内側はスカスカでびっくりした」など、みんなの発見がノートにつづられ発表された。