大阪府柏原市の製紙会社「大和板紙」が、地域ゆかりの植物から再生紙をつくる“ご当地リサイクル”に取り組んでいる。新製品は、大阪市の御堂筋のシンボル、イチョウの葉を活用した再生紙である。同社では、古新聞などの古紙を回収し、ロール紙や商品のパッケージなど、大量生産できないオリジナルの再生紙づくりに力を入れてきたが、約2年前、そこで培ったノウハウを生かした地域特産の再生紙づくりを思いついたという。第1弾として、柏原市の特産品、ブドウに注目して、市内の製紙関連会社3社と協力し、ワイン作りの工程で出るブドウの皮などを原料に再生紙を作った。結果「ブドウの風合いがうまく生かされている」と地元のワイン会社が絶賛され、ワインのパッケージとして採用されることになったのである。続く第2弾として、須田取締役は、御堂筋のイチョウ並木の落ち葉から再生紙をつくろうと発案。昨年秋、落ち葉を拾い集めて、まず洗浄。乾燥させた後、粉末状にし、紙の原料と混ぜてサンプルの再生紙を完成させた。「大和川堤防の清掃で刈り取られる大量のヨシや、大阪城公園の梅林の花がら、えべっさんのササを再生したおみくじ…。ごみとして捨てずに美しい紙に化けさせることにワクワクします」と次回作へのアイデアは尽きないようである。