15日、初夏恒例の「沙羅の花を愛でる会」が妙心寺塔頭(たっちゅう)の東林院(京都市右京区)で始まった。東林院は平家物語でそのはかなさをうたわれた「沙羅双樹の花」で有名である。別名ナツツバキという沙羅の花は、朝に咲き夕方に散る。このことから「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」と平家物語に記されている。最も古い木は樹齢60年で、約10本が植えられ、コケが生える庭園にひっそりと白い花びらが浮かんでいた。「梅雨のツバキは、しとしと降る雨に映える」と西川玄房住職は話した。