和歌山県みなべ町の梅畑は総面積が約2400ヘクタールに上り、年間約3万トン、全国生産量の約4分の1を産出する日本一の梅どころだ。その8割を占める南高梅は和歌山県産のブランド力が強く、他県産よりも高値で取引されているという。丹精込めて作られた南高梅はその8割が町内や周辺の加工会社に直行し、残る2割が農協などを経 て青果として市場へ出回る。 近年では食の洋風化に伴って梅の需要が伸び悩んでいる。逆境を跳ね返そうと、梅のPR活動を行っているのがみなべ町の「うめ課」だ。1973年に発足以来、研究施設「うめ21研究センター」の運営など、業務内容は多彩だ。時には阪神甲子園球場で梅干しを配ってみたり、知名度アップを図っている。同課に所属する5人の精鋭は全国を飛び回っている。 さらに、和歌山県立医科大学との共同研究により「胃に障害を及ぼすヘリコバクターピロリ菌の運動を阻害する物質」「肥満などに関連付けられる酵素の働きを阻害する物質」が梅に含まれていることが解明された。みなべ町としても2件の特許を取得することに成功。うめ課では売込みにも特許を生かしているという。パンフレットを作成・配布し、「梅パワー」を全国に向けてPRした。 6日は、県内の「紀州梅の会」が定めた梅の日。全国各地で梅の消費拡大に向けた イベントが開催される。みなべ町の官民も東京などで汗を流す予定だ。