世界遺産の林が伐採された。「紀伊山地の霊場と参詣道」は世界遺産に登録されているが、山林を地元の森林組合が無許可で伐採した問題で、文化庁は2日、現地調査を行い、市のの職員など関係者から伐採の経緯を聞いた。この調査は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)に報告するために行われた。「文化財保護法を逸脱する行為であり、二度と同じ事が起きないよう万全の対策に努めたい」。こう語るのは、同庁の矢野和彦記念物課長だ。一方、世界遺産から登録抹消される可能性については、「そのような事がないよう全力を挙げる」と話した。 伐採された樹木は、シイなどの広葉樹林約0.6ヘクタール。被害届こそ出されていないが、文化財保護法違反の可能性があるとして、県警は先月、実況見分を行った。一度伐採した樹木を再び元通りにする事はできない。樹木の伐採には、細心の注意を払わなければならないのである。