大谷大学の12日の発表によると、京都市の左京区の志古淵神社で、平安時代末期の「平治元(1159)年」の墨書が記された木造五輪塔が発見されたという。現存の木造五輪塔では国内最古で、初期の姿を伝える貴重な作である。大谷大学によると、五輪塔は高さ約30センチのヒノキの一木造で、五輪部分は密教で宇宙の構成要素とされる 「五大」からなり、凡児が書かれてた。基盤の左側面には「平治元年十二月九日施入僧寂念」とあり、背面に「入道西念」と書かれていた。木造五輪塔の現存最古のもととされてきたのは、弘安4(1281)年に制作された奈良の東大寺にある持国天像であった。「重要文化財級の発見といえる。傷みが少なく、長い間、仏像の内部に納められていたのかもしれない」と大谷大の宮崎健司教授は語る。京都市北区の大谷大博物館で13~17日に公開される。