滋賀県高島市朽木地区の山林で西日本最多級の約300本のトチノキ巨木群が見つかった。25日に、49本について所有者の17人と地元団体、県、市が保全協定を締結することがわかった。協定では、保全協力費を県が所有者に一定量を支払い、所有者は5年間伐採しないことを規定、その後、伐採規制や保全方法などを盛り込んだ制定を検討する。地元の市民団体が西日本最大級の樹齢400~500年、高さ22メートル、幹回り7.2メートルのトチノキを発見した。周辺調査で、高さ20メートル程度、幹回り3メートル以上の約300本のトチノキが確認されたのである。西日本に巨木群が少ないトチノキは、家具に使用されることが多く、同地区でも、これまでに約60本が伐採され高級家具などに加工されてきた。私有林にある巨木群をどう守るかが課題となっていた。大阪産業大学大学院の前迫ゆり教授(保全生態学)は「協定は、行政と所有者に巨木群の価値に対する認識が広がった証で、将来にわたり貴重な財産を保護する大きな一歩になる」と話す。