福井県若狭町の鳥浜貝塚で1984年に出土したウルシの木片が世界最古となる約1万2600年前のものであることが、東北大学の鈴木三男教授(植物学)らの研究グループによってわかった。これまでウルシは大陸が起源で、大陸から日本に持ち込まれたとの見方が強かったが、今回の発見で、その交流が縄文時代草創期から始まっていたか、あるいはこれまでとは逆に、ウルシが国内に自生していた可能性が出てきたのである。鈴木教授は「データが少ない現状では断定はできないが、日本の漆文化のルーツを考える上で重要な研究」としている。