世界初の間伐材など木材から水素を製造する商業施設が福岡県大牟田市で完成した。特長は従来の天然液化ガスの水素製造プラントに比べ、年間75%の二酸化炭素の排出量を削減でき、環境に配慮した製造方法である。建設を進めていた日立造船によると、プラントは高さ約35メートルのタワー型である。昨年10月に、新出光のグループ 会社のイデックスエコエナジーから受注して建設に着手し、今秋完成した。来年の3月まで、新出光グループが性能確認試験を行い、4月に本格稼働する。生産した水素は半導体工場に供給するほか、将来的には燃料電池自動車や家庭用燃料電池を手掛けるメーカーなどへの販売を予定してる。年間3億円の売上高が見込まれている。使用する間伐材などは、熊本、佐賀、福岡の3県から受け入れ、熱分解してガス化する。15トンの木材から1日当たり最大7200立方メートルの高純度水素を製造する。「水素の製造において、長年、二酸化炭素の排出量削減が大きな課題だった。今後は、地元の木材を生かす”地産地消”の活動とともに環境改善に取り組める」と新出光は話す。