国宝・平等院鳳凰堂(京都府宇治市)で使われていた天井板から、平安時代後期の創建時に描かれたみられる菩薩などの仏画が見つかったと25日に同寺が発表した。堂内装飾を担当した絵仏師による「試しがき」とみられ、鳳凰堂創建時を考える貴重な資料であるという。天井板は長さ約2.5メートル、幅約30センチである。流れるようなタッチで、平安後期の特徴をよく示しているという。このような筆慣らしの絵は法隆寺などでも見つかっている。天井板は、平成20年に京都市内の古美術店で見つかり、奈良教育大学の大山明彦准教授の調査で鳳凰堂の天井板と判明した。明治時代の修理の際に流出したとみられ、大山准教授が自費購入し、同寺に寄贈した。神戸大学の百橋明穂教授は「仏の頭部は見事な湾曲線で、足の指の膨らみなども巧みな表現。伝統を踏まえた専門画師の仕事だ」話している。26日から同寺の「鳳翔館」で公開される。