台風12号が猛威を振るった。「吉野杉」で知られる奈良県吉野地方では約12万3000ヘクタールの植林地で倒木などの被害が出た。紀伊半島の被害は甚大で、近年で最大だった1998年の台風7号での被害額約128億円を超える可能性が高いという。和歌山県田辺市では、豪雨により大量のスギやヒノキが流出した。26日現在で114億6400万円 の林業被害が判明している。これを受け、田辺木材協同組合(22業者)と田辺港輸入木材協同組合(4業者)が山から流出したスギやヒノキを買い取り、製紙用のチップや肥 料に加工することを決めたのである。公費で処分を進める同県などは「焼却費を他の復旧費にあてることができる」と歓迎している。同組合の処理能力は月約4000トン。 持ち込み方法が整えば飛躍的に処分が進むという。作られた肥料は梅栽培農家への販売を計画している。