豊かな森は海を育む。高度経済成長期を境に海が汚れた。宮城県気仙沼市のカキ養殖業・畠山重篤さんは川の上流に木を植える運動を始め、豊かな海を取り戻した。「なんで漁師が木を植えるんだ、と言われもしたが、自然の仕組みはどうなっているかを考えるのが大事だ」と話している。また、サントリーでは全国の工場の水源で良い地下水を育む森づくりをしている。2003年に始まり、整備している森林面積は7千ヘクタールを超えた。世界の森林保護における地球温暖化の防止効果が3.7兆ドルに上る一方で、漁業資源は毎年500億ドル減っているという国連報告書がある。価値ある生態系サービスを次世代につなぐには、多くの人が認識を共有しなければならない。つ ながり合う自然や生き物の全体を見る視点が必要なのである。