東日本大震災以降、電力不足による節電の動きが活発化する中で、コンクリートビルの外壁を国産材で覆った場合、表面温度が7度程度下がることが産官学でつくる「国産材を活用したヒートアイランド対策協議会」の実験で明らかになった。ヒートアイランドは都市部の気温が郊外に比べて高くなる現象で、主な原因は道路舗装の拡大による緑地の減少やエアコンの室外機などによる人工排熱の増加である。実験に使われたサーモウッドはセ氏200度前後の加熱蒸気で処理する技術を使って国産スギやヒノキなどを加工した木材のことで、軽い上、防腐性や断熱性が高いとされている。同社技術開発室の小淵義照さんは「古来から使われてきたスギやヒノキなどの木材がヒートアイランドや省エネなど、現代人を悩ませる難題に貢献できることを多くの人に知ってほしい」と話していた。