高松市の「四国村」を運営する四国民家博物館の21日の発表によると、東日本大震災の津波によって損壊した、宮城県南三陸町の築300年以上の茅葺きの古民家が四国村に移築・復元されることになった。「津波に全てを流された町の歴史を伝えてもらえるのは、ありがたい」と13代目当主の遠藤重幸さんは話す。1702年頃完成とされている古民家は、平屋で135平方メートルあり、屋根裏に蚕棚がある独特な作りをしている。約20メートルも流され、頑丈な柱や梁に支えられ倒壊は免れたが大きく傾いた。古民家を公費で解体・撤去するのではなく、遠藤さんの歴史的建造物としての保存したいとの思いを知った博物館側が、移築し民具も引き継ぐことを提案したのである。博物館の加藤秀樹理事長は「暮らしの文化を引き継ぐのも、復興支援の一つの形」と、遠藤さんは約1100キロメートルも離れた場所での保存について「震災を生き延びた南三陸の宝として守ってもらえれば、離れていても誇りがもてる」と話している。