久佐々(くささ)神社は能勢町宿野にある。ここには江戸中期から残っている木造建築「長床(ながとこ)」が約60年ぶりに舞台として復活する。長床は長さ11.8メートル、奥行4メートルである。同町では三味線の響きに合わせて独特の語りを聞かせる素浄瑠璃が継承されており、2006年には劇団「能勢人形浄瑠璃鹿角座」が結成された。座長で同町の主婦狭間みのりさんは「三味線が人形の動きを引き立て、人形が人間の情を表すことができた時、人形浄瑠璃を続けてきてよかったと思う」と語っている。団員全員の心が一致して初めて実現するのである。