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新聞からの木の豆情報

木造耐震化

・日本経済新聞 2011/8/26

近畿の自治体と関連技術を持つ民間とが木造住宅の耐震化を進めようと連携を広げている。耐震への関心が高まる一方、住民の制度や事業者についての情報不足、補助申請の煩雑さなどに対応するために、大阪府箕面市では、自治体と協定を結んだ工務店や設計事務所が診断から補助金申請まで一貫して請け負ったり、大阪府高槻市では特定非営利活動法人(NPO法人)が支援制度を住民に説明したりしているのである。8月に耐震化の技術をもつ9事業者と箕面市は協定を締結しており、「協定を結んだ事業者が責任をもって一貫して請け負う方式は珍しい」と建築指導課は話す。高槻市では耐震改修の今年度の補助申請が昨年より上回っている。7月から市耐震改修支援機構を通じて、大阪市でも、耐震化支援のNPO法人など6団体による戸別訪問を始めた。大阪府は「まちまるごと耐震化支援事業」を9月下旬に始める予定である。事業者やNPOが自治会などの地区全体の耐震化を請け負う仕組みである。市町村を通じて耐震化を申し込み、府の登録リストの中から事業者(グループ含む)を選び、耐震化の啓発、診断、設計、改修まで一括で請け負う。「耐震ネットワーク分科会」を立ち上げる予定の京都市は、建築事業者や建築士と連携し新たな耐震化促進策にむけて議論を進めているのである。兵庫県建築士会神戸支部などの25団体と連携し、9、10月に神戸市は耐震化促進キャンペーンを開くそうである。耐震化相談の件数は夏を過ぎると少なくなる傾向があるので、集中的に啓発活動に取り組んでいる。木造住宅の耐震化診断補助への申し込みが、前年同期とくらべ、奈良県では3倍、和歌山県では2倍、滋賀県では2.2倍に増加した。住宅全体の耐震化率の目標を政府は2020年に95%にするとしている。近畿各府県では08年時点で8割前後で、木造住宅の耐震化が目標達成の課題であるとしている。木造住宅の数は、大阪府内では全体の34%の126万戸であり、このうち33%の41万戸の耐震性が不十分と見られている。診断件数が増える一方、金銭面から改修をためらう人も多いのである。戸別訪問にボランティア技術者を派遣しているNPO法人「人・家・街 安全支援機構」の大石正美専務理事は「民間とタイアップしていかないと耐震化は進まない」と話す。住民の理解の他に、補助制度やメニューの充実が必要となる。今年度から大阪府八尾市は耐震診断の技術者を派遣する制度を導入し、補助申請件数が前年度の総数を上まっている。「住宅の部分的な補強で耐震化につながるのなら費用を補助するなど、新制度の創設も検討したい」と京都市の建築安全推進課も話している。

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