京都府宇治市のバイオシールドサイエンスは、京都市北部で生産される北山杉から酢酸で抽出したエキスを使った抗菌剤「Kyoto Style301」を開発し、20日から発売すると発表した。これは100%天然成分でウイルスやカビを抑制する効果があり、消臭剤やアロマスプレーなどで他メーカーと共同で商品化してものである。新開発の抗菌剤は北山杉の枝葉を酢酸に漬け、抽出されたエキスと塩を組み合わせ、酢の刺激臭を低減させるとともに抗菌効果を高めることに成功した。抗菌成分は常温で気化し、空気中のウイルスやカビに働きかけるため、従来の抗菌剤のように噴霧や塗布をしなくても空気清浄効果が得られるといった特徴がある。今回の開発にあたり、京都産業大学鳥インフルエンザ研究センターや北里環境科学センターなどで試験したところ、鳥インフルやヒトインフルエンザウイルスの不活性化にも効果があることがわかった。卸価格は10万円(減益20リットル)。他の成分と組み合わせても変質しにくいことから多様な商品開発が可能で、現在は京都の地元企業とアロマオイルを使ったルームスプレーや線香などの商品化を進めている。