東京都は樹木を墓標として使う新しいタイプの墓「樹木墓」を2012年度にも都立霊園に導入する。樹木墓は小高い丘のような所にシンボルとなる樹木を植え、その周辺に納骨するスペースを設ける。ほかにも「樹林墓」と呼ぶ〝集合墓地タイプ〟も用意する予定である。この墓のねらいは、大木の周りに100体規模で納骨することで、大都市の墓地不足を緩和である。東京23区内にある都立霊園の2009年度の応募倍率は平均で約12倍、都心部では40倍に達することもあったという。このような過密状態を緩和するため、まず敷地面積に余裕のある多摩地区の霊園で導入するという。都立霊園の一般墓地は最初に使用料約40万~約1000万円を支払い、年間数千円の管理料が必要であるが、今回の樹木を使う場合は、「初期費用は軽くなり、毎年の管理料は不要」となる見通しである。樹木を使った墓地は民間の霊園で広がり始めているほ か、公営では横浜市が導入した例がある。