今、各地で行われている植林・植樹活動。こうした所を訪ねる植林ツアーが人気がある。個人、家族のほか、グループや企業単位で参加できるツアーがある。こうしたことは、緑を増やし、二酸化炭素を減らす取り組みに一歩踏み出す機会にもなりそうである。平成16年から、JR東日本では「ふるさとの森づくり」と題した植樹ツアーを商品化している。JR東日本は線路を自然災害から守る鉄道林整備を行っており、そのノウハウを地域の森林整備にもということである。JR東日本は昨年までの6年間、福島県の安達太良地域の国有林計9.4ヘクタールに約9万5千本の苗木を植林した。1年目は約600人だったツアー参加者が昨年は3倍の約1800人にまで増加した。今年からは新潟県津南町の町有林3.5ヘクタールに植林の場所を移し、2年間でミズナラ、コナラ、カツラなど16種類約3万5千本の苗を植林する計画である。また、NPO法人「とちぎ生涯学習研究会」は平成18年から、カーボンオフセットツアーに取り組んでいる。足尾地区は広範囲で緑が失われた状態が続き、はげ山に参加者がカエデやミズナラなど、周辺で採取された種子から育てられた苗木を植えるのである。同法人の柴田法幸代表は「足尾という地域で植樹活動を行うことで、環境、社会に対してメッセージを伝えることができる。そこにツアーの意味を見出してほしい」と話す。