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新聞からの木の豆情報

吉野・建材販売

・日本経済新聞 2010/6/9

吉野杉で知られる奈良県の林業復興に向け、県内の中小企業が吉野杉製の内装材や建材を各地の販売業者を通さずに低価格で直販するほか、高級感のある割りばしを低コストでつくる取り組みを始めた。 吉野杉の販売量は輸入木材に押され減少し続けている。そこで地域の工務店や林業会社、はし問屋などが新たな需要の創出を急ぎ、内装材などを直販するのは約10社の中小が参加する「Yoshino Heart プロジェクト」を開始。農林水産省などによると、吉野杉の価格は国内の木材平均価格に比べて2倍以上である。奈良県知事によると、安価な輸入木材が増えた以後も「素材の良さに頼りすぎて、需要が付いてこない」という。吉野杉が脚光を浴び始めたのは江戸時代で、狭い場所に杉を密集させて植え、成長を遅らせる育成法が特徴である。こうすることによって細かく美しい木目と強度の高さが生まれ、酒樽や建材に広く使われた。20世紀に入っても高級建材の代表格として高い知名度を保ったが、安価な輸入木材に押され生産量が激減した。奈良県の木材生産量は1962年の119万立方メートルをピークに減り続けた。2009年には15万立方メートルと、99年からの10年で2分の1以下になっている。木材が売れないため、切り倒した木を搬出する林道の整備も遅れている。ヘリコプターで輸送する場合もあるが、コストが大幅に高まり、結果として販売に結びつかないという悪循環となっている。荒井知事が突破口と考えるのがデザイン性を高めた家具や小物の作成などアイデア面での創意工夫。「どんなニッチな製品でも斬新さがあれば需要に結びつく」と話す。老舗ブランド復興には、価格競争に左右されない新しい付加価値の創造が欠かせないのである。

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