マダガスカル中央の山岳地帯に広がるザフィマニリ地方には、独自の木彫りの知識と技術が伝わっている。この技術は多くの森があるマダガスカル各地に昔からあったと推測される文化であるが、他の地方では消えて行き、文明から隔離された山間部のこの地方にだけ残されたのである。また、アフリカ大陸の東に浮かぶ島国マダガスカルの木彫り技術は、ユネスコ無形文化遺産に登録されている。この技術は指導されるわけではなく、木彫り技術の仕事を盗み見つつ職人となるのである。この技術を使った模造品を防ぐため、各意匠の知的所有権を登録、保護する取り組みを政府などが進めている。