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新聞からの木の豆情報

林業再生に向けて国産材を

・日本経済新聞 2010/4/17

国土交通省は4月から都道府県が認証する木材を使う住宅に最大120万円を補助する制度を導入し国産材の普及促進による林業再生を本格化する。農林水産省では新増設する公共建築物での利用を義務付ける方向で検討に入っている。関連産業の振興で地方活性化や雇用創出につなげたい考えだが、物流や販路などで課題は山積である。2008年の国内の木材供給量はおよそ8000万立方メートルで、うち国産材は24%である。中国など新興国の需要拡大で外国材価格が上がった結果、国産の自給率はやや向上したが、山林が未整備で発注に素早く対応できないといった問題があるため、水準は低い。1950年代から植林を始めたスギやヒノキなど国内に蓄積されている木材は、2007年3月末時点で約44億立方メートルと5年前より4億立方メートル増えたのである。国産材の4割は建築材に使える50年以上のもので、10年後にその割合は6割になる。よって政府は国産材という〝遊休資源〟の有効活用を迫られている。国交省は今月から木材の「地産地消」を進めるため中小の住宅メーカーが建設する木造住宅への補助制度を開始した。耐震性などに優れる「長期優良住宅」と認定された木造住宅が対象で、柱や土台などの半分以上で地域の認証木材を使用していることなどが条件である。農水省は2009年12月にまとめた森林・林業再生プランで「10年後の木材自給率50%以上」を目指す方針を示している。今国会に提出中の「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律案」では国や地方が率先して国産材利用に努めるよう明記している。さらに国が建設する学校や庁舎などでの活用を義務付けの検討に着手した。また、国産材を活用した火力発電やバイオエタノール燃料の開発も進める構えである。林業で働く人の数はこの20年でほぼ3分の1の5万人に減少しているが、豊富な資源を有効活用することで、地方での雇用機会の確保にもつなげたい考えである。3月の国産材は1立方メートルあたり5万9100円で、北米産の7万3600円を下回っている。市場に円滑に流す仕組みが整わないければ、本来は割安な国産材の普及にも弾みがつかないのである。つまり、山林から材木を運搬する物流網の整備や、外材中心の木材流通の仕組みの見直しなど課題は山積みである。農水省は山道などの整備と林業機械を組み合わせた作業システムの導入を目指すとしているが、財政難のもとで新たな予算措置が見込めるかは不透明である。

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