温室メロンの一大産地として知られる静岡県袋井市のある栽培農家では、昨年1月から温室の暖房設備の燃料を、価格が高騰した重油から木くずを固めた燃料に変えた。同時に、近隣の5軒のメロン農家と遠州木質燃料利用組合を設立し、2009年度は、重油使用時に比べ1392トンもの二酸化炭素の排出削減を見込んでいる。こうした燃料転換の動きは全国各地に広がり始めているため、林業にとって木質燃料の需要拡大は朗報に違いない。群馬県では、間伐した木の85パーセントが利用されないまま、放置されている。そして、放置することは二酸化炭素などの温室効果ガスなどを発生させてしまう。そこで、県と群馬県森林組合連合会は間伐材専用の加工場建設した。本格的に稼働し始めるのは来年4月だが、森林の所有者らが持ち込んだ間伐材をすべてを買い取り、住宅用の材木や燃料用のチップ材などに加工して販売する計画だ。林野庁によると実に国内の間伐材の7割が放置されているという。こうした現状からも木質燃料を求める農業や企業と、間伐材を売りたい林業が協力できる余地は大きい。